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Column家づくりコラム

【夏涼しい家づくり、「パッシブデザイン」の鍵を握るのは「卓越風」!?】

皆様、こんにちは。エヌテックです。

「パッシブデザイン」とは、建物のあり方に工夫をこらし、太陽の光や風など自然のエネルギーを最大限に活用・調整できるようにする設計や手法のことです。その中で「夏涼しい住まい」を実現するための基本として挙げられている手法のひとつに「自然風の利用」があります。自然風を活用するためには、事前の情報収集が重要になります。

「卓越風(たくえつふう)」という言葉をご存知でしょうか?
卓越風とは、ある地方で、ある特定の期間(季節や年)に吹く、最も頻度が高い風向の風のこと。たとえば、関東地方で冬場に吹く「空っ風」や関西地方の「六甲おろし」、東北地方で夏場に吹く「やませ」も卓越風の一種と考えることができるのです。

実は、風の吹き方は想像以上に、地域によって大きな違いがあります。
その違いを、気象庁の観測データを使って視覚的に見せてくれるサイトが、こちらの一般財団法人建築環境・省エネルギー機構の気象データページ。慣れるまで少し難しいかもしれませんが、色々なエリアを比較すると、風の地域差がわかります。

【気象データ】
http://www.jjj-design.org/program/%e6%b0%97%e8%b1%a1%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf/

このサイトで広島市のデータをみると、夏の起居時(7時〜22時)は南西や南南西から風が吹く割合が増え、秋の起居時は北や北北東から風が吹く割合が増える傾向にあります。一方、就寝時(23時〜6時)は、北や北北東から風が吹く割合がとても多いということが風配図から読み取れます。


このように、よく風が吹いて来る方位は季節や時間帯によって違っています。また、同じ広島県内でも場所が変われば風の傾向も大きく違っています。

【広島県の気象データはこちら】
http://www.jjj-design.org/wp-content/uploads/2017/05/34hiroshima.pdf

パッシブデザインでは自然風を利用し「涼感を得る」、「排熱する」ことを狙います。そのために下記のポイントについて、優先順位を付けながら設計に取り組んでいきます。
1)全方位通風の確保
2)ウインドキャッチャーの活用
3)高窓の設置
4)立体通風の考慮
5)窓面積・室内開口部面積の確保
6)卓越風の意識

どの方向からの風に対しても通風を確保できる設計を進めるなかで、「卓越風」などその土地特有の風の吹き方を理解しておくことは、パッシブデザインにおいて大切なプロセスのひとつなのです。

パッシブデザインの考え方にご興味を持たれた方は、ぜひ私たちが定期的に開催している「パッシブデザインセミナー」にご参加ください。

次回は7月21日(日)14:00〜16:00を予定していますので、お気軽にお問い合わせください。参加費は無料です。たくさんのご参加をお待ちしています。

セミナーの詳細はこちらです。
https://www.ntecj.co.jp/event/#passive_seminor

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