














国道183号線沿い、約600㎡のL型敷地に計画された延床面積約960㎡の建物。1階にはテナント2区画と賃貸住戸1戸、2・3階には計14戸の住戸を配置した全15世帯の賃貸住宅です。構造は、エヌテックの新築住宅と同様に耐震構法SE構法を採用。木造ラーメン構造によって耐震等級3を確保しながら、1階には4.5m×13mの大空間を実現しています。使用した構造材は154㎥、接合部に用いるドリフトピンは6486本。大工の手仕事で1本ずつ丁寧に施工し、確かな構造性能を支えています。断熱等級6相当の断熱性を確保し、賃貸住宅でありながら高い省エネ性と快適性を両立しました。
外観は1階テナント部分と2・3階の住戸部分で表情を切り替え、庇を挟んで水平ラインを強調。1階は左官壁や板貼りで落ち着いた素材感を、上階はシンプルで整ったファサードとし、周囲の街並みに調和するデザインとしています。また、敷地の特徴を活かした計画として、バス停前は建物をセットバックさせてポケットパークのような広場を設えています。30種類以上の植栽を配し、四季の変化を楽しめる外構としました。住まう方はもちろん、バス利用者や道行く人にも開かれた場となり、地域にやさしく寄り添う賃貸住宅を目指しています。
住戸は26~51㎡で、単身者やカップルを想定した間取り。中央に水回りを集約し、回遊性を持たせることで暮らしやすさを高めています。東西の個室でプライバシーを確保しつつ、家事動線にも配慮したプランです。3階の一部住戸には吹き抜けを設け、明るく開放的な空間をつくりました。設備は高効率給湯器や高性能サッシを採用し、居住時のエネルギー負担を軽減。上下階の遮音性にも配慮し、乾式二重床や石膏ボード二重貼りなど、注文住宅で培った技術を幅広く活かしています。
「Holzhaus」はJAS構造材実証支援事業を活用し、エヌテックでは最大規模となる木造非住宅建築物です。ドイツ語で“木の家”を意味する名の通り、木材の断熱性と調湿性を活かし、快適で健やかな暮らしを支えながら、脱酸素社会への取り組みにも寄与しています。
2024年4月から賃貸住宅における性能表示が義務化される中、これからの時代に求められる「高性能賃貸住宅」のモデルとなる一棟が完成しました。
Data
-
土地概要
近隣商業地域
道路幅員/西側15.1m
敷地面積/587.99㎡(177.88坪) -
建築概要
建築面積/376.51㎡(113.86坪)
延床面積/963.34㎡(291.40坪)
1階:343.54㎡(103.87坪)
2階:309.90㎡(93.74坪)
3階:309.90㎡(93.74坪) -
建物性能
耐震等級3

