NTECPASSIVE DESIGN

Customer Columnお客様コラム

第5回 小さな家づくり記 間取りを考える

土地と工務店が決まり、今回はいよいよ間取りを考えていきます。
間取り図って見るだけでもワクワクしますね。

パッシブデザインをベースに

その土地の条件によると思いますが、基本的には南側に窓を設けることを第一として、
日射や風、光が最適な状態となる窓の位置が決まります。

詳しくは、エヌテックさんのこちらの本で

どれぐらいの日射を、夏は遮り、冬は取り込むのか。
シミュレーションソフトで一年の日の入り方を見ながら決めていきます。
驚いたのは、壁や窓の断熱性能や日射を計算して
家の断熱性能が数値で分かることです!!
そして、「冬の日射取得した方が経済的だから、ここの窓はトリプルじゃなくて複層にしましょう」といった
根拠に基づいた設計がされていきます。

実際、前回の記事に書いたように人生で最高に暖かい冬を過ごせましたし、
建ててみたら思いのほか西日が入ってきて暑かった、なんていうこともありません。

書斎や来客コーナーが欲しい

そんなパッシブデザインをベースに、
私たち夫婦の間取りに対する希望としては、
一般的な間取りに加えて

  • 書斎(家で仕事をすることがよくある)
  • 来客コーナー(ときどき来客がある)

が欲しいなという考えがありました。
また、これまでの賃貸アパートの生活で不便だと感じていた、
以下の点

  • 風呂/洗面/脱衣が狭い
  • お風呂の近くに衣類収納が欲しい
  • 駐車場が遠くて、外出が億劫。買い物の後、荷物の運び込みが負担
  • 洗濯物を干す場所がない
  • LDKが狭い

も解消したいところです。

このような希望もまとめてお伝えし、設計を進めていただきました。

打ち合わせ記録がこんなにたくさん生まれました

 

間取りの沼に

そうして初回プランを出して頂き検討を進めるなか、
店舗設計の経験がある夫は、自分でも色々な可能性を探り始めてしまいました。
「こんな間取りも、いいんじゃない?!」とCADが使えるパソコンを物置から掘り起こし、
アレンジしたパターンをいくつも作りました。

寝る前に枕元に図面を広げてあーだこーだ考えたり、
日中も時間さえあれば図面を取り出して鉛筆で描いてみたり、
寝不足の日々が続くほど。

そして打ち合わせで何度か自分たちからも新たな案を出し、検討してもらいました。
そんなとき、設計の谷口さんは快く受け入れて
「それだったらこっちは、こうした方がいいですね」と全体のバランスを調整してくださるのですが
図面を修正液で訂正してもらう度、申し訳ない気持ちでした。
でも間取りって決まってしまうと簡単には変えられないし、
何より日々の動作に関わってくるところなので
自分の生活にしっくりくるか、の擦り合わせや検討は大事ですよね!(と正当化させてください)

こうして、できる限りの時間を使ってじっくり検討したぶん、
満足感、納得感、愛着もひとしおの間取りが、誕生しました!(1階のみお見せします)

1年間、暮らしてみて思うこと

吹き抜けがとっても優秀です

夏は2階のエアコン1台、冬は1階のエアコン1台のみの稼働で、
家中が快適な温度で保たれます。
ひと昔前は、吹き抜けがあると冷暖房の効率が悪いといわれたこともあったようですが、
断熱性の高い家では、基本的に風量設定は「弱」で充分です。
そして吹き抜けの大きな窓のおかげで、
近隣の緑から遠くの瀬戸内海まで見渡せるほか、
梅雨の時期も家中が明るいです。
また2階に居ながら、1階のワンコの様子がわかることも安心感があります。
デメリットは、
キッチンの匂いが家全体に回りやすいことや、
窓掃除がちょっと大変なことでしょうか。

オープンなキッチン

キッチン、ダイニング、リビングをどのように繋げるかも
好みが分かれるところですね。
我が家はフルオープンにしました。
キッチンがカッコいいから見せたかったのと、
丸見えだから常に片付けないといけないという
ちょっとした強制力があるのもいいなと思いました。
水栓周りがオープンだと、水が散る、こぼれたとき困る、などのトラブルが想定されましたが
奥行きがしっかりあるので、今のところ飛び散りで困ることはありません。
またLDK全体が一望できるのでワンコの様子が常に把握でき、安心です。

床をかじるなどの悪行を未然に防げます

 

階段下に、壁掛けテレビのあるリビング

わが家なりの間取りを突き詰めていった結果、階段のあるリビングとなりました。
階段下にテレビってどうなんだろう?
なんだか圧迫感があって見づらいのでは?と非常に悩みました。
このように、想像力だけでは良し悪しが決められない時には
モデルハウスで似たような間取りを探し、
実際に体感することで不安を解消できました。

洗い物をしながら、テレビを見ることもできます

 

水回りの回遊性と広さで、日々の家事が楽に

キッチン、脱衣、お風呂、洗面をすぐ隣同士にして、
ぐるっと回れる間取りにしました。
よく家事をする場所が近接しているので、
お湯を沸かしながら身支度〜や、煮込みながら洗濯〜などの
「ながら家事」ができちゃいます。

お風呂は1.25坪、洗面と脱衣は合わせて4.5畳と
少しゆとりのある広さに。
家族とぶつかることなく、収納もたっぷりあって、とても使いやすいです。
(今までは、3畳ほどに風呂/洗面/脱衣が詰め込まれていたので
人や扉がガンガンにぶつかりあっていました)

そしてクローゼットを、お風呂やランドリー、洗面に近い1階に設けました。
片付けや身支度スペースが近いので、1階と2階を行ったり来たりしなくてすみます。

隣接している水回り

 

玄関周り

以前は駐車場まで徒歩4分と離れていたので、雨の日の買い物などは特に面倒でした。
今は玄関ドア下に広めの軒があり、
季節や天候を気にせずすぐに車に乗ることができるので外出のハードルがかなり下がりました。
家に入ってすぐ左手に設けた玄関収納は、
靴や上着以外にもタイヤやキャンプ、釣りの道具が入る大きさ。
ちょっと工夫して、靴を履いた時、履いていない時の
どちらでも物が取りやすいようにしました。(とあるモデルハウスで見かけた間取りを参考にしました)
考案者の夫は、特に気に入っている様子です。

玄関がいつもスッキリです

 

やっぱり必要?客間問題

我が家は泊まりの来客が少なく、年に1〜2回ほどなので
客間を設けませんでした。
宿泊時は2階のオープンなスペース(子供部屋として将来仕切ることもできる)を
カーテンで仕切って客間としていますが、
やはり布一枚では(私が)落ち着きません。
しっかり壁のあるプライベートな空間にした方がよかったのかと思いますが
いかんせん使用頻度が少ないし、ふだんは開放しておきたいし。。
もしも予算があれば、全面引き戸という選択肢もあったのかな?と思います。

まとめ

改めて、間取りと一言でいっても

  • パッシブデザイン
  • 自分たちの希望
  • 動線など、使いやすさ
  • 予算
  • 意匠デザイン(見た目の美しさ)
  • 構造(強度など)

など、いろいろな要素が関係しているので
とても複雑で、奥が深いなぁと感じました。

優先順位を整理することで、
自分たちが生活の中で何を大切にしているのかを見直す、
良い機会になった気がします。

エヌテックの家のお客様に、注文〜完成までの様子や、住んでみての感想をお聞きしました。

エヌテックが実際に手がけた住宅をご紹介します。全棟長期優良住宅です。