快適は機械でなく建築でつくる|超快適&ゼロエネ研究所 |超快適&ゼロエネ研究所(株式会社エヌテック)|パッシブデザインで快適な注文住宅

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快適は科学、つまり数値で表せる

快適は機械でなく建築でつくる

パッシブデザイン

先に「自然の力をじょうずに利用して快適を得る」と述べた。その秘密は「パッシブデザイン」と呼ばれる建築設計手法にある。

パッシブデザインとは、太陽や風の性質をよく知り、それをうまく採り入れたり遮ったりする備えを住まいに組み込むことで、「暖かさ」「涼しさ」「明るさ」を住まいにもたらしてくれる。自然の力をうまく調整するだけでこうしたことが実現でき、省エネが実現できる。つまり「快適を機械でなく建築でつくる」設計手法である。

こんなパッシブデザインは、多くのメリットがある本質的な設計手法なのに、なぜか広く普及していない。その理由は「少々面倒な設計」だからだ。
一邸ごとに異なる敷地特性や周辺環境を仔細に調べ、それに基づいた開口部の設け方を検討し、同時に家族構成や暮らし方、思いを踏まえた間取りも整合させるのは知識と経験そして手間を要する設計作業である。そのため大手メーカーをはじめ、多くの住宅会社はパッシブデザインを敬遠するのである。

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研究所が考える6つの性能

パッシブデザインは闇雲に性能を高めるのではない。快適の実現につながる「6つの性能」にそれぞれ指標を与え、それらのバランスを考えながら設計を進めていく。

1. 断熱性能

熱損失係数(Q値)
室内外の温度差が1℃の時、家全体から1時間に床面積1㎡ あたりに逃げ出す熱量のことを「熱損失係数=Q値」と言う。この値が小さいほど、熱が逃げにくく、断熱性能が良いとされる。広島県の長期優良住宅の基準はQ値=2.7であるが、私たちはその約1.7倍のQ値=1.6を研究所標準としている。

開口部熱貫流率(U値)
熱貫流率とは熱の流れやすさを示す値で、数値が小さいほど熱を通しにくい。壁に比べ窓は熱が伝わりやすい部位であるため、この性能が家の断熱性能を大きく左右する。冬の日射を取得し、室内を暖かくするためには開口部は大きな方が有利である。しかし、大きな開口部は室内の暖かさが逃げる通り道にもなる。パシブデザインでは、これらのベストバランスを探していくことになる。

南面開口率
南面の開口部のベストバランスを求めることで、夏の日射はシャットアウトし、冬の熱エネルギーは最大限に取り込む。広島の気候風土を知り尽くしているからこそ、設計の工夫で自然エネルギーをコントロールする。

2. 日射遮蔽性能(夏期日射取得係数:μ値)

住宅に入る日射を数値的に表したものが日射取得係数=μ値である。夏はこの値が小さいほど建物の日射遮蔽性能が高く、冷房効率が良いため、冷房エネルギーの低減につながる。
広島の基準は0.07であるが、私たちは夏期に2〜3倍日射が入りにくい数値を研究所標準している。
μ値は温暖な地域では特に重要な指標である。夏期の日射をじょうずに遮蔽することが、過剰な設備機器に頼りすぎない、冷房エネルギーの削減につながることになる。

3. 気密性能(C値)

住宅の気密性を表す数値で、家全体の隙間面積を延べ床面積で割った数値。数値が小さいほど気密性が高いことを表す。広島の次世代省エネルギー基準はC値5.0c㎡以下であるが、私たちはその約5倍、C値=1.0を性能を標準とする。
屋外には花粉や害虫など様々な有害物質がある。住宅の隙間の少ない家はより外気の影響を受けにくく、家の隅々まで計画的な換気(新鮮空気の導入)が確実に行えるため、偶然に左右されず快適な状態を確実に保つことができる。また、遮音性が格段に良くなるため、外の騒音が軽減され、快適に暮らすことができる。

4. 通風性能(卓越風)

各地域特有の風は、卓越風向といわれ、平均的にこの月は、どの方角から、どのくらいの強さの風が吹くのかの統計をもとに気象庁によりデータ化されています。
家の建つ周辺の卓越風向を把握し、じょうずに採り込むことで、より気持ちよく、さらに冷房費を削減することが可能である。風速1m/sにつき体感温度は1℃下がると言われており、(リンケの体感温度)春や秋の中間期の温熱調整、夏期の夜間の排熱、冷気取り込みなどを計画的に行うことができれば、気持ちよさとともに省エネに絶大な効果を発揮する。

空気質性能

高気密の住宅の中で暮らしていると、次第に空気が汚れてくる。そのため空気の質に気を配り、計画的な換気を行うことが大切である。計画的換気に置ける留意点は
1)家の中に有害物質を入れないこと(花粉、汚染物質の除去)
2)家の中で有害物質が生育しにくい状態を保つこと(湿度管理)
である。

6. 冷暖房機器性能

夏はフィリピン並みの暑さ、冬は北欧並みの寒さとなる日本において、パッシブデザインだけで温熱環境を快適に保つには限界がある。必要に応じて冷暖房機器を稼働させるわけだが、断熱性能を高め、パッシブデザインによりある程度暖かい(涼しい)家においては、通常の住宅に比べてずっとコンパクトな機器でも十分な性能を発揮する。

シミュレーション

パッシブデザインの生命線は日射取得と通風の状態について年間を通じて把握しておくことにある。そのため、コンピュータを用いて自然光と影の様子、地形や周囲の建物からの影響を視覚化し検討を行なう。

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