SE構法Ver.3 販売開始
第6,170回 設計の谷口です。
弊社の新築住宅で標準採用している耐震構法SE構法。
2025年6月1日からグレードアップした新仕様で販売が開始されます。
一般社団法人日本建築センターによる新たな構造評定を取得することで、適応範囲の拡大・性能強化による設計自由度の拡大を実現しています。
弊社では昨年、準防火地域に建つ木造3階建て高性能賃貸住宅「Holzhaus」を建設しましたが、全国的に多様化・大型化する大規模木造建築への対応強化や2026年建築基準法厳格化を見据えて、今回大幅なグレードアップに成功しています。
従来のSE構法では建物の階高が最大4.5メートルだったのですが、Ver.3では最大6.0メートルまで向上。
また、従来は最大スパン12メートルだったところを、Ver.3では制限なしという極致まで達しました。
一般住宅ではなかなか要望がありませんが、木造5階建てまでSE構法では構造計算可能になっています。

そして、これまでも性能はとても凄いレベルだった面材耐力壁を、従来の特類1級構造用合板から構造用パーティクルボード「G-BOARD」に変更し、同時に面材を留め付ける専用釘「TN釘」を開発することによって、木造住宅では考えられないほどの圧倒的な強度を持つ耐力壁が誕生しました。

その圧倒的な強度を専門用語で表現すると、G-BOARDは壁倍率換算で11.7倍(壁の両面に貼ると23.4倍)に相当する短期許容耐力なのです!
(一般的な木造建築で使用される仕様規定では壁倍率は2.5倍(両面貼りで5倍)となっています)
2025年4月に建築基準法が大幅に改定され、構造的な縛りも厳しくなっています。
従来は実現できた開放的な間取りも、同じ耐震等級では壁の量が増えて実現できなかったりします。
本年度は経過措置として緩和策もありますが、2026年からは本格運用となり、従来の構造仕様の見直しを迫られる住宅会社が多く出てくることが業界では予想されています。
業界内では一般的に構造的な壁が増える状況にあるところを、SE構法Ver.3では壁がさらに減らせる方向へシフトします。もちろんコストダウンを図りながらです。
エヌテックでは、進化したSE構法を今後も標準採用することで、生活者の皆様に安心・安全なお住まいを提供し続けます。
SE構法Ver.3についての詳細はこちらのプレスリリースをぜひチェックしてみてください。