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建築見学

2025.11.20

第6,289回 設計の桐田です。

昨年、島根県の山間にある 邑南(おおなん)町立石見中学校 を見学する機会がありました。
設計を手がけたのは、教育施設の実績が豊富な シーラカンスアンドアソシエイツ(C+A)。最近、この学校が建築誌『新建築』の最新号にも掲載されていたので、改めて訪問時の印象を紹介します。

現地でまず目を引いたのは、地域に根づく 石州瓦を用いた大屋根。周辺の住宅にも使われる素材を学校にも取り入れることで、建物が風景にすっと溶け込み、どこか安心感を生み出していました。

校舎全体はまっすぐではなく、折れ曲がりながら続く ジグザグの配置 が特徴です。これは敷地の地形や既存校舎、土砂災害区域など複雑な条件を丁寧に読み解き、最適なボリュームを組み合わせていった結果生まれた形だそうです。実際に歩いてみると視界が切り替わる瞬間が多く、単調になりがちな “長い廊下の学校” の印象とは対照的に、小さな街区を巡るようなリズムのある空間が広がっていました。

2階に設けられたメイン動線は 「学びの並木道」 と名付けられた場所で、木の柱がリズミカルに並ぶ穏やかな通りのような雰囲気。廊下でありながら、生徒が自然と集まり、立ち止まり、会話が生まれる “学びが広がる場所” になっています。

見学を終えて感じたのは、もし自分が学生だったら毎日通うのがきっと楽しみになるだろうということ。環境と人を丁寧につなぐ、心地よい学校建築でした。

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