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ひろしま国際建築祭 2025

2025.11.24

第6,291回 設計の谷口です。

現在開催中の「ひろしま国際建築祭2025」に行ってきました。

福山と尾道を中心に開催されているので、全ての展示を見ることはなかなか出来ず、尾道市立美術館で開催されている展覧会「ナイン・ヴィジョンズ|日本から世界へ 跳躍する9人の建築家」と福山市の神勝寺 禅と庭のミュージアムに絞っての参加です。

尾道市立美術館の展示は、以前の桐田のブログでも紹介がありました。

建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞をこれまで8組9人の日本人建築家が受賞しており、この功績はアメリカと並んで世界一です。

日本人建築家はどのようにして、世界的にも認められる存在になったのか?その活躍の一端が紹介されており、展示内容も各建築家の個性が表現されていてとても興味深いものでした。

▲丹下健三 広島平和記念資料館

▲槇文彦 ヒルサイドテラス

▲伊東豊雄 せんだいメディアテーク

途中の休憩スポットには、時代を彩る名作椅子に実際に腰掛けながらプリツカー賞受賞時のスピーチ映像を視聴することができるようになっていました。時間の都合上、全てを視聴することはできませんでしたが大変貴重なアーカイブ映像だと思います。

尾道市立美術館の少し上には、青木淳が設計した展望台もありますのでこちらもお勧めスポットです。

そして、福山市の神勝寺 禅と庭のミュージアムで開催中の展示会場にも、尾道とは別の日に訪問しました。

紅葉も見頃を迎えており、禅宗の世界観を庭や池を散策しながら巡るのにピッタリの季節でした。

▲神勝寺HPより 

お寺に入ってすぐの社務所では、建築家であり建築史家でもある藤森照信設計の独特の世界観が楽しめます。

そして、石段を160段登った先にある本堂エリアには、私が一番楽しみにしていた丹下健三の成城の家の写しが展示してあります。

1953年に竣工した丹下健三の自邸は、当時の建築界にとって世界的な規模で衝撃的なインパクトを残したとか。現存しないのが大変残念ではありますが、なんとその伝説的な住居を瀬戸内海を見下ろす福山市内の丘の上に再現するプロジェクトが進行中だそうです。

3分の1スケールの模型展示ですが、ひろしま国際建築祭は3年に一度のペースで開催予定とのことなので、近い将来は実物大スケールで空間を体験することができるようになりそうですね。

近代建築5原則の一つ、ピロティを持つ丹下邸。
神勝寺本堂でもそのピロティを活用して、若手建築家の展示も開催されています。

また、本堂の庭では、建築家 堀部安嗣設計の1坪キオスク「つぼや」もあります。

手刻みでつくられたこの「つぼや」は移動式になっているそうです。
前述の成城の家の模型も2018年に開催された建築の日本展で宮大工が製作したものであり、木造の組み立てては壊しまた組み立てられる伝統を感じ取ることができました。

禅と庭のミュージアムを一周して休憩した建物がこちら。

▲含空院

なんと、築350年を超える茅葺の建物を滋賀県から移築してきたそうです。

現代的に言うとまさにSDGs。

ひろしま国際建築祭を堪能しつつ、木造建築の壮大な流れも感じられる素敵な体験となりました。

ひろしま国際建築祭は、11月30日(日)までとなっておりますのでご興味がありましたら是非足を運んでみてください。

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