SE構法 5階建て構造見学会
第6,312回 設計の谷口です。
先日、福岡へ出張し「SE構法 5階建て構造見学会」に参加してまいりました。

この写真で足場が設置されている建物がSE構法で建設中の5階建ての現場です。
白い建物をL字に取り囲むように足場が立っているのがおわかりいただけますでしょうか?
敷地形状も、L字の狭小地でこの条件に対して木造5階建ての提案がなされています。
設計施工は、大分のFDMさん。弊社とはつくり手の会でも交流させていただいている九州のトップ工務店さんです。
当初は鉄骨造での建築も検討されていたそうですが、L字の狭小地であったり、前面道路と近隣の保育園との兼ね合いなども含めて、途中で木造へと計画変更を行ったとのことでした。
鉄骨造よりも木造の方が構造的な重量は圧倒的に軽くなるので、基礎や地盤補強に対するコストも軽減できます。
また、鉄骨造の場合ですと現場溶接や材料の取り回しのためのスペース確保にも苦戦を強いられるそうです。
その点、SE構法ですと金物接合という利点を活かして、敷地奥から3工程に分けて順々に5階建てを組んでいくという施工的な工夫も教えていただきました。

エレベーターシャフトも、通常でしたら鉄骨のやぐらを組んでエレベーターを設置するそうですが、SE構法とエレベーターメーカーとの協業で、安全に構造計算された木造の躯体に直接アングルを取り付けてエレベーターの設置が可能になっているとのことでした。

一方で、1階については90分の耐火構造が求められるとのことで21mmの厚みの石膏ボードを3重に貼るという作業も必要になります。
公共建築に対しても国は木造化を進めており、時代の潮流としてもこれから益々住宅以外の木造建築を皆様も目にする機会が増えるのではないかと思います。
例えば、コンビニエンスストアが木造になる、郵便局が木造になる、ユニクロや無印良品の路面店が木造になる、ラーメン屋やうどん屋のチェーン店も木造になる、などなど。
SE構法を活かしてまちづくりに参加することも地域工務店の役割となる日が近そうです。