リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s
第6,152回 設計の谷口です。
先日、弊社が加盟している団体「重量木骨プレミアムパートナー」の総会が横浜で開催されました。
総会では、2025年度の方針やそのための具体的な施策とプロモーションが発表されました。
また、加盟店の中から選抜された3社による事例発表とディスカッションも行われました。
トピックスとしましては、これまでSE構法の躯体保証が10年間だったものが、大幅に延長される予定であるということや、SE構法のニューモデルが5月に発表されますということなどが挙がりました。
また、私達実務者にとっては、パッシブデザインのスキルアップを図る講習会が強化されることや、経営者同士が意見交換を行う経営者の会の発足なども紹介されました。
重量木骨プレミアムパートナーの方々は、設計や施工のスキルも高いので、そういった点も含めて「人」によりフォーカスしたプロモーションもこれから実施される予定です。
私達、地域の工務店は1社ではとても小さな存在ですが、このような団体に加盟することで1社ではできない仕組みを具体化していくことができ、資産価値のあるお住まいを提供することができています。
これからもSE構法、重量木骨プレミアムパートナーの活動にご期待いただければと存じます。
さて、せっかくの東京出張でしたので少し足を延ばして国立新美術館に行ってきました。
「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s」

以下、展覧会HPより抜粋
「1920年代以降、ル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエといった多くの建築家が、機能的で快適な新しい住まいを探求しました。
その実験的なヴィジョンと革新的なアイデアは、やがて日常へと波及し、人々の暮らしを大きく変えていきました。本展覧会では、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点に着目します。そして、傑作と称される約14邸を中心とした世界各地の住宅を、写真や図面、スケッチ、模型、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィック、映像などを通じて多角的に検証します。本展覧会でご紹介する住宅建築のモダニティは、今も息づいています。本展覧会は、私たちの暮らしと住まいを見つめ直す機会にもなるでしょう。」
それぞれの住まいを解説するために、さまざまな表現手法が採用されており、中でも建築模型は緻密に再現されていてそれを見るだけでも行った甲斐がありました。




近代建築(インターナショナルスタイル)という全世界的な時代の潮流の中で、様々な建築家が悩み抜いて答えを出したこれらの住宅を知れば知るほど、逆に近代建築と一括りでは位置付けられないような様相が滲み出てきて、やはり偉人達から学ぶことはたくさんあるなぁと感じました。
今回の展示会ではクラウドファンディングを実施し、過去に実現しなかった夢の建築計画を実物大で再現するという試みも見どころの一つです。

近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエによる「ロー・ハウス」の再現です。
さすがに素材までは全く同じというわけではありませんが、空間体験をするだけでも大変貴重な経験だと思います。
体の五感を研ぎ澄ましながら、実際の建物を見て感じることが設計者にとっては一番の栄養素になると再認識した展覧会でした。